そんなこと言うなよ

女30歳。夫や不妊や野望を語る野暮日記

せぃんせいの卒業式

 

「先生、お世話になりました!」

と、言われる季節になりましたね。

 

“お世話になりました”は、

私たち教育業にとっては数少ない誉め言葉の一つです。

 

民間企業のように数字で結果が出せないこの仕事は、

基本、彼らにとっては耳障りな教育的指導を言うことも少なくなく、

たぶん、疎まれ、恨まれることの方が多いのかもしれません。

 

若い時は、電車で泣きながら帰ることもしょっちゅうで、

恨まれてまで言ってやる必要なくね?

勝手に将来困れば良くね?

と、ぐるぐると負のスパイラルに嵌まるのも日常茶飯事。

 

ありますよー。

胸ぐら捕まれたりとか、突き飛ばされたりとか。

あとモンスター達ね。

 

でも、その時の上司が、

「俺たちの仕事は、直ぐに結果がでない。

必ず結果が出る訳でもないし、例え結果が出ても、それは卒業して数年~数十年後で、そこに立ち合えない事がほとんどだ。

それでも、今、言ったことが、いずれ分かってもらえることを信じて、言い続けなければならないんだ。

ああ、あの時言われたことはこういうことだったんだって、一回でも思ってもらえれば万々歳じゃないか」

 

と、そう言われ、

傷付きながらもやる気に満ちていた当時の私には、その言葉がズドーンと突き刺さり、 

今でもその言葉を糧に、言い続けることが、彼らのためになると信じて、

疎まれようが、恨まれようが、勇気を出して言い続けています。

 

まぁ、その時の上司が今、旦那なんですけどね。

結果出したのうちの旦那の方だったんですけどね。

 

 

と、ともかく、そんな中で、

『お世話になりました』

と声をかけてもらうと、

 

“お世話してあげられた”

という達成感と、

“お世話してあげたことを感じてくれていた”

という嬉しさで、

なんとも今までの苦労が報われる瞬間を味わうのです。

 

 

 

そんな卒業式の時に毎回言われるのが、

「先生、子供は?」

 

一応おずおず聞いてくるのが可愛いんだけど、

「君達で手一杯で、とてもそんな余裕無かったわぁ。君達が私の子供だったよ」

大家族だぁ。なんて、笑いながら冷静を装うんですが、

 

うん…そうだよね。

先生、年々お腹出てきてるもんね。

私でも思うわ、何ヵ月目ですか?って。

 

最後ぐらい言ってよー、

水くさいじゃんかー、

って思うよね。うん。

 

 

ごめんね、先生…

ただ、太ってるだけですから!!

 

 

学園のアイドルと言われた新人時代から早8年、

AKBと言うか、むしろ秋元さんにシフトチェンジしました。

方向性定めました。

 

だって、私の仕事は、君達を社会へ向けてプロデュースすることだから!

羽ばたかせて、輝かせるのが仕事だから!

 

だから、最後の集合写真も、

自然に両手を組んで、掌を脇の下にセットするよね。

 

え、先生最後なのになんでそのポーズなの。

先生怒る時、いつもそのポーズだったよね。

先生、何で指先伸びてるの。

 

彼らの戸惑いの声を背に感じながら、

涙を堪えて教室を出て、私の卒業式は毎年幕を下ろします。

 

 

 

そんな感じで涙の卒業式から半年後。

連れてくるんですよねー。

 

え?何をって?

ご子息、ご息女をですよ。

 

 

お前らそういうことかぁー!と。

それがあってあの質問かー!と。

それがお前らのやり方かー!と。

 

 

もー、毎年そうなんで慣れました。

学祭の時期になると子供連れて

「先生来たよー」

なんて。

 

ということはだよキミタチ。

卒業式の時に既に結婚してたって事だよね。

 

言えしそれー。

 

水くさいのそっちじゃんかー。

泣けるわー。

 

なんて言いつつも、もう、その赤子を見る時の私の目なんて、

子を通り越して、孫を見るそれです。

 

我が子が一家を構えて、子供連れて実家に顔を見せに来た時って、ああ、こういう気分なんだなぁ。って。

 

我が子さえ居ないのに、そんな感情を味わえるのは、ある意味、幸せなことなのかもしれません。

 

 

なお、くれぐれもお伝えしておきたいのは、

私は教員ではありません。

そんな私達を、一見彼らは先生と呼んでるように聞こえますが、

 

実際は、

「すいません」→「すいやせん」→「せいやせん」→「せぃんせい」→「せんせい」

 

と、す行五段活用を巧みに操り、

ただ、呼ばれてるだけの掛け声です。

 

それを踏まえた上で、今日の記事をもう一度読んでみてください。

そりゃ、結婚の報告無いわ。

 

 

そんなせぃんせいから、

今年、君達に贈る言葉はもう決まってます。

 

子供の名前、外字だけはやめて!