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そんなこと言うなよ

女30歳。夫や不妊や野望を語る野暮日記

卵巣捻転になりました②

 

一つ前の「卵巣捻転になりました①」の続きです。

 

 

 

「卵巣捻転の疑いがあります」

 

そう言われても、うっすらOHSSだと思っていた私は、卵巣捻転についてはノーマークだったため、全く反応を示せませんでした。

 

そこで先生が、フィルムケースのようなものをティッシュでくるみ、

「通常の卵巣はこんな感じです」

と、真ん中にケースがあるだけの円筒の状態を見せてくれました。

 

「そして、あなたの卵巣はこんな状態です」

と言うなり、片方をクルクルとねじって行き、キャンディの包装のようになりました。

 

「今このように左の卵巣を繋ぐ管が捻れていて、

血流が滞ってる状態です。このままだと卵巣に血液が行かず、卵巣が壊死します」

 

(なんですと!?)

 

「そのため直ぐに手術をして、ねじれを解消し、また血液を流してあげなければなりません」

 

まさかそんな危険な状態とは知らず、

(明らかに普通ではない状態ではありましたが)

なんかもう、絶望感でいっぱいで……。

 

「ただ、手術は腹腔鏡で行いますので、お腹に3~4箇所、親指のシワぐらいの穴が空くだけです。うちでは腹腔鏡の手術ができませんので、都内の大学病院に搬送しようと思いますが、よろしいですか

 

(手術は嫌だ……手術は嫌だ……)

 

心ではそう思っても、現実として卵巣が壊死してしまうことを考えると、頷くわけには行かず、

「はい……お願い……します」

と答えました。

 

そこからは直ぐに病院と救急車を手配してくださり、待ってる間に主人にも連絡を入れてくれ、電話も代わってくれたのですが、

 

「だ、大丈夫!?」

「なん……とか…」

「救急搬送されるんだよね!?」

「うん……」

「俺も行った方がいい?」

 

  (ですよねー)

 

「や、いいよ。どっちでも……」

 

や、今回ばかりは仕方がないんです。

私が予算の締め切りなら、同じ職場の夫もそうで、とにかく今日は絶対に休めない日なのは良く分かっていましたから。

 

まぁとりあえず、手術はするかもしれないけど、命は助かる見込みがあったので、

後はもう、夫が居ようが居まいが結果は変わらないので、ならば仕事してなさいなと思ったわけです。

 

ただその後に先生が電話を代わって、状況を説明してくださり、「今、通常1~2cmの卵巣が、左右ともに6cmほどになってます。……略……なので、直接搬送先の病院に行ってください」と伝えて下さったので、結局行くことにしたようです。

 

後でちくっと「よくも俺行った方がいいなんて言ったなー」と付いてやりましたが、

「だって状況が分からなかったんだよー」って言ってました。ま、そうよね。

 

そんなこんなで救急車が到着し、直ぐに大学病院に到着しました。

搬送中、看護師さんが1名付き添ってくださり、ずっと手を握りながら「大丈夫ですよー、直ぐに着きますからねー」と声をかけてくださってて、本当に本当に安心しました。

とてもありがたかったです。

 

救急に搬送されてからは、直ぐに連絡していた医師が診察してくださり、やっぱり卵巣捻転ですね。となりました。

 

ちなみに大学病院らしく、指導教授(男性)と研修医?ぽくはなかったけどまだ未熟そうな2人(女性)の3名が担当です。

弟子たちが女性で良かった……。

 

「今回、採卵のために薬を使って卵巣を大きくしています。そのため、卵巣が自分の重みでくるっと捻れてしまったのでしょう」

 

こ、怖い……そんなことあるのか。

睾丸ではそんな話聞いたことあるけど、

卵巣もそういうのあるのね。

あれ?これって病院側は説明不足なのでは……!?

 

そんなことは後で考えるとして、目先の手術です。

 

「手術……しか…ないです……よね」

「そうですね。このままでは壊死してしまいます。もしかしたら自分でまた戻るかもしれませんが、手術の準備は先にしておきましょう」

「はい……」

「手術室が空くのが17時ぐらい。今が16時なので、後1時間ぐらいで空くので、それまでに術前検査と同意書にサインをお願いします。今日は最後に食事をしたのは何時ですか」

「職場に着いて……9時頃、朝ごはんに…おにぎり1つ…食べたきりです。お昼は……痛くて食べられません…でした…(うぅ、腰が痛い)」

「水分は?」

「11時…ぐらいに、ロキソニンを…飲む……ために…取ったぐらい……です…(早くしないと卵巣が)」

「なら大丈夫か。胃に物が残ってると麻酔の時に戻してしまうので」

(食べてなくて、良かった)

 

そこから、採血や心電図、レントゲン、尿検査などを行い、また戻ってきて沢山の同意書にサインをしました。

その時は弟子の女性医師が担当で、師匠はもう居ませんでした。

 

サインをしてる最中に、急にまた吐き気が襲ってきて、ペンを持ったまま俯いていると、先生が気づき、

「辛くなってきましたか?少し横になりましょうか」

と、またベットに横になったとたん……

 

「!!!!!????」

 

「っ!?どうしました?」

「あ……の……」

「痛みますか?」

「…無いんです……」

「え?」

「痛く…ないんです。……あれ?」

 

そう、なぜか急にすーっと痛みが引いてきたのです。

 

「ベッドに横になったら急に痛みが無くなって…」

「もう全然痛くないですか?体勢変えても?」

「そうですね……ん、ん。はい、痛くないです」

「そ、そうですか……」

「自分で戻ったんですかね」

「かもしれないですね。どうしよっかな。ちょっと先程の医師呼んできます」

 

 

時刻は手術30分前。

 

 

ちょうど夫も到着し、血相変えて来た割には私がピンピンしてて、

「や、本当に今の今まで瀕死でしたから!」

と変に言い訳してるみたいな感じになりました。

 

 

しばらくして師匠が現れ、

「痛み引きました?」

「そうですね。若干痛みがありますけど、さっきほどでは全然ないです

「そうですか。こんなに急に痛みが引いたとなると、自然に戻ったのかもしれませんね」

「(よ、良かった)」

「ただ、まだ痛みが残っているということなんで、完全に戻りきってない可能性があります。どうしますか?念のため手術しますか?」

「今の痛みは、なんかこう……おしっこ凄く我慢して、やっと出した後の膀胱の痛み、みたいな感じです。」

「それは卵巣が腫れてて、膀胱を圧迫してる痛みかもしれませんね」

「んー、それ以外も若干痛いといえば痛いのですが、もう少し様子を見ても良いですか」

「そうですか。そしたら、今日は念のため入院してください。また痛くなるかもしれませんので。それで、明日の朝の状態で退院するか決めましょう」

「そうさせてもらえれば助かります。よろしくお願いします」

 

そして、様子見のために一泊入院しました。

 

お部屋は3人部屋でしたが、

(だって個室は一泊4万円って言うんだもん(T-T))

さすが産婦人科病棟ということもあって、キレイな3人部屋でした。

 

産婦人科なので、妊婦と同じ部屋になるかもしれませんと言われてて、

(これから出産に臨む方達の横で、夜中うんうん唸ってたら申し訳ないな)

と気後れしたのですが、どうやら同室の方達も、みなさん婦人系症状での入院のようでした。

 

何も入院の準備がない状態だったので、とりあえず夫が売店でいろいろ買ってきてくれて、一通り揃いました。

 

翌日退院する気満々だったので、無駄に買ってこなくて良いと伝えましたが、

さすが前回の顎下腺唾石症での入院経験が活きているのか、任せたのに適切に買ってきてくれました。やるじゃん。

 

19時で面会時間が終了し、

夫も帰るとやることがなくて暇だったのですが、

携帯の充電もほとんど残ってなかったので、とりあえず寝てました。

 

さすがに一日中痛みで体力を使ったのか、

目を瞑ると直ぐにうとうとしてきて、

たまに来てくれる看護師さんの気配に一瞬目は覚めるのですが、

また目を瞑ると直ぐに眠ってしまいました。

 

それに、看護師さんが、産婦人科の看護師さんだけあって、みなさん穏やかで優しそうな方達ばっかりで、親元を離れてから身の回りの面倒なんて見てもらってなかったので、その暖かさに触れ、ほっとなったのも眠れた理由かもしれません。

 

すべてが順調で、これは明日退院できそうだな、なんて思っていたのですが、

21時ぐらいから、なんだかまたじわじわと痛んできて、ナースコールを押すかどうかしばらく迷いました。

 

もはや色んな痛みを経験してきて、

どれがヤバくて、どれが大丈夫な痛みか分からなくなってきてて、

昼ほどの痛みじゃないけど、これは痛い部類かも……ってとこまで来たところでナースコールを押しました。

 

来てくれた看護師さんに状況を伝えると、先程の女性医師が2人で来てくれ、お腹を触診してから、痛み止めで様子を見ることになりました。

 

その後は、痛みが和らいだせいか、

朝まで目が覚めることもなく、

無事翌日を迎えました。

 

夜の間、何回か熱が出て、最高で37.7℃まで行きましたが、朝の検温では平熱の36.8℃でした。お腹も昨日ほど痛くなく、若干痛みは残るものの、昨日に比べたら全然です。

 

しばらくして、朝の回診で先生が3人でお越しになり、

「どうですか」

「若干痛いですが、大丈夫そうです。なんかこう、卵巣が左右に引っ張られてるような感覚があります」

「それは大丈夫ですね」

「卵巣が腫れてる感じがあるのですが、そういう痛みなんですかね?」

「卵巣が腫れてるだけであれば痛みはないので、それとは違うでしょう」

「あ、そうなんですね。お臍よりも付け根の方です」

「まだ完璧には戻ってないのかもしれませんね。どうしますか?もう少し入院して様子を見ますか」

「う~ん、今回は何も入院の準備をせずに来てしまったので、一度帰って、またもし状態が悪くなったら伺っても良いですか」

「はい、構いませんよ。では一度退院して、とりあえずまた外来で来てください」

 

ということで、晴れて退院しました。

ただし、一週間の自宅での安静。

良いです。仕事は片してきたので、少しゆっくりさせてもらいます。

 

迎えに来てくれた夫とタクシーで帰り、

無事自宅に帰り着く頃には、痛みと言うより、お腹の張りの方が辛くなってきました。

 

妊婦が、がに股になる理由が良くわかります。

お腹も中期の妊婦ぐらいにパンパンになり、

普通に座ってるのが苦しいので、

ソファに斜めに座って足を曲げ、

歩く時は、おばぁちゃんみたいに

腰を曲げてえっちらおっちら歩いてます。

 

それでも、入院よりはよっぽど良い。 

 

翌日の今日も、お腹が張ってて痛いですが、

生理痛のような痛みはないので、捻りは大丈夫そうです。

 

なんかこう、無理すると何かの拍子にまた捻れてしまうのではないかと、体勢ひとつ変えるのにビクビクしてて、生活は落ち着かないですけどね。

 

 

 

 

薬で卵をたくさん育て、卵巣をパンパンにする体外受精を行っている方は、誰がなってもおかしくないそうです。

 

今回、私は紙一重で事なきを得ましたが、

少しでもおかしいなと思ったら、是非遠慮せずに病院へ連絡してください。

例え違ったとしても、手遅れになるよりずっと良いと思います。

 

長々とお付き合い頂き、ありがとうございました。

少しでも皆さんの参考になれば幸いです。